GSのココ掘れコラム7:3

The Lyrical Times

護送船団の死に際

マスコミから石油業界に転出して以来20年が経ちました。この間二足の草鞋を7年履いていたので、正確には13年です。丁度、1997年に特石法が廃止された（これによりセルフ解禁）辺りから本格的に取り組んできたのですが、9.11以降イラク戦争、そしてリーマンショック、3.11で法律の無慈悲に無力感を持った一方、業界の一向に変わろうとしない体質にはもう反吐が出るくらい嫌悪に満ちている私。この業界を叩き壊すくらいのエネルギーを与えられればいいのですが、これもまた無力感に苛まれます。「護送船団」という古い言葉がありましたが、これは死語になっただけで、いまだに現実社会で跋扈しています。2016年はこの「護送船団」の死に際が見られるかもしれません。縄張りを持った雄ライオンの最期は同じ雄ライオンに噛み殺されて縄張りを乗っ取られるのです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ap5NsfJD9gU

2015年12月31日 14:42 ｜コメント｜

安く売るには利益を削る？

2015年のラストを飾る日経電子版のトップは「ガソリン安売り競争は2016年も続く」でした。全国33,000余りの販売店にとって、そのキャプションは悲しいかな、もうナンセンスです。特に地域の地場販売店には迷惑な話題。記者の人も目立った記事がなくなるとガソリンスタンドの危機を載せます。TV局が同じように動物ものをONAIRするのと似ています。今年の石油業界はその前年とは趣を異にしました。原油下落の傾向は同じような曲線を辿ったのですが中身がまるで違いました。それは新しい年2016年の最初に噴出して社会問題になるかもしれません。私が由々しく思うのは、業界も所轄官庁も手遅れを承知しているかのような無粋な対応をとっていることです。ここではっきりしたいのは、販売店の利益などクソにもならない程度に低いことと、1ℓの半分以上が税金で占められはじめ、しかしそれは年々徴収が減っていき、ついにはメーカーの資金調達に支障をきたすのに、この無粋な神経は何なのでしょう。日経の見出しにも違和感を憶えます。販売店の利益は現在の消費税分にも満たない哀れな数字であることは百も承知なはず。これでさらに「競争が激化」を謳うとは笑止千万。「廃業のコンテンツ」でも特集した方が読む側には精神衛生上よろしいかと思うのです。

2015年12月31日 14:25 ｜コメント｜

闇夜からの訪問者

2015年、いよいよ明日で私にとってのエポックイヤーは終わります。自分を顧みさせてくれた人々に感謝です。あの日あの時の感動と感涙を胸に秘め、来年を迎えたいと気持ちを新たにするのですが、物理的にもブラッシュアップを図ろうと、話題のワンダーコアを購入しました。毎日の筋トレは錆びついてしまった体に好都合。それとともに、食事療法の見直しです。食事の摂り方を180度転回させることにしました。私自身仕事における「断捨離」をここ10年間継続してきたのですが、自身の肉体の断捨離は放ったまま、気が付くと体中の至る所に肉はつき、捨てられないままでいます。そもそも今まで仕事に割いていた時間、特に精神面に重点をおいたことがこの体たらくを生み出したのですから仕方ありません。煩悩との闘いに勝利できるのか正直不安ですが、6パックをこのブログにUPさせる日は現実にくるでしょうか･･･｡一方2016年の経済はというと、闇夜の現実世界がさらに続きそうです。90年代のバブルが弾けた頃の世の中に似てきたように感じるのは何故でしょうか。あの時は「昨日までの現実とは違う今日の現実」に忍び寄られている感じでした。若い私は「調子いい（景気がいい）日々はすぐ戻る」のだと努めて平静を装うのでしたが、潮が引いていくように仕事が1つずつ減っていく現実に戸惑いと焦りを感じだします。気が付けば小さな仕事も大手にさらわれていました。あの恐ろしい空気感が4半世紀を経た今、再度訪れようとしています。海図も磁石もコンパスもない船出は誰も歓迎しませんが、果たして闇夜の世界から再び船を出せるでしょうか。https://www.youtube.com/watch?v=k46Eis5modk

2015年12月30日 12:35 ｜コメント｜

老後の楽しみ

1978年から「ザ・ベストテン」という久米宏さんと黒柳徹子さんの司会でONAIRが始まった歌番組が人気でした。毎週ランキングされる歌手たちに一喜一憂した視聴者はその日が来るのを待ちわびていたものです。番組の最後に黒柳さんが「老後の楽しみ」と称して出演者全員で「ハイポーズ」と写真を撮るのが恒例でした。毎週撮影された？であろう「老後の楽しみ」を黒柳さんは今でもお持ちでしょうか。実はこの私も同様な「老後の楽しみ」を携えています。1990年代バブル期にマスコミ業界で仕事をしていた私は、オファーを受けた仕事の完パケ（映像はD1若しくはD2テープ、音楽はDAT）のほとんどを当時のスタジオエンジニアだったYちゃんにお願いして保存していました。映像は1/2VHSテープに、音楽はカセットテープにそれぞれ落として保管しました。その時の私の台詞が「老後の楽しみ」にという黒柳さんの言葉を拝借していたのです。特に外タレ･アーチストの告知CMは数えきれない程の保管本数になりました。先日それを1本のフェイバリットDVDにして見直してみましたが、どのアーチストの告知も100％の完成度とはいかないものの、願望や羨望、憧れと尊敬が滲み出ていて、それだけでも◎です。あのころ「老後の楽しみ」と称して、映像や音楽を作品として残しておいて良かったと今になって胸を撫でおろすのですが、何より自分の仕事を保存できたのは周囲の協力のお蔭です。20年以上経過した自身の情熱の塊を、自らの子供たちに証明できることはこの上ない幸せですが、それを誰に感謝するのかといえば「老後の楽しみ」というヒントをくれた黒柳さんでしょうか。人生のきっかけは瞬間のフラッシュバックです。https://www.youtube.com/watch?v=6iPLG4neptM

2015年12月29日 16:02 ｜コメント｜

ニッポンのミライとは

TPPが基本合意されてから2か月経過しました。政府はその効果を14兆と発表しましたが、根拠をもう少し明確にして欲しいと感じたのは私だけではないでしょう。私の仕事柄どうしてもTPP＝原油話になるのですが、来年の示唆される原油価格は20㌦です。（もっとも16年半ば以降40㌦台、17年初頭は50㌦台の推移予測）OPECの中心国サウジアラビアはどう動くのでしょうか。先にも書いたように儲かっていた頃の準備金が豊富にあるサウジの国民は教育、医療が基本無料で受けられます。これは一重にその準備金のお蔭であることは自明です。しかし来年からは、その準備金を取り崩さなければいけなくなる事態に。米国のシェール革命によってNO.1産出国の椅子が入れ替わり、主導権は米国の手の中にあるからです。世界は3年も経ない間に新たな革命が起きそうです。日本も原油は想定以上に安価になったのですが、政府が原発に依存する姿勢を明確にしています。石油業界も急速に収縮していく化石燃料事情に、より現実的にならねばいけないのに、供給過剰を止められません。先送りが日本人の十八番かも知れませんが、その糊代がもうないのにも関わらずに相変わらずの数量主義。これは何も石油業界だけではなく、すべての業界に通じること。政府はこれまでにも成長戦略の一環として規制緩和を推進してきたのですが、ほとんど形が変わらないので、自らの手で実行するのを止めました。理由はTPPの合意形成によるものです。首相は諸外国の手を利用して一気に緩和されるのを選んだのです。来年の注目は「何をするのかより、それを誰とするのか」に力点が置かれるのでしょう。

2015年12月28日 14:30 ｜コメント｜

ニッポンの病巣とは

「昼飯食べる？」同級生が名古屋から車で今年最後の挨拶に来ました。「いや他へ行く時間になった」時計を見るともう2時間近く話したでしょうか。還暦までに何をするかで盛り上がりました。この中で彼が興味を持ったのはこの私が20年来言い続けている、「GSはブランド別に計量機を設置して販売する」でした。マーク別計量機販売とするこの考えはアイディアでもなんでもありません。何故今の今まで出来ないのか理解できない一つです。①番は出光の計量機②エネオス③コスモ④はPB（プライベートブランド）という具合に計量機を設置すれば、顧客のチョイスによる給油になるので「今日は懐が寂しいからPBでセルフ給油するか」一方給料日には「ブランドガソリン入れてもらい、ゴミを捨てて、フロントガラスも拭いてもらおう」合理的で効率を図れる一石二鳥な世界になるのですが、メーカーには「馬鹿げた考え」と映ります。私は異業種からきた人間。しかもマスコミからの転出なものですから、すべてにおいて相手目線で物を考えます。昭和40年代からのモータリゼーション華やかなりし世代には「数量至上主義のこの時代に、この野郎は何考えてんだ」と思われたのでしょう。関係者は誰も賛同どころか理解もしませんでした。でも世の中は21世紀に入り、社会の中心はITになったのです。最早国内の人口は増えず、自動車は1ℓ40KMの省燃費になり、挙句にそれは電気で走行し始めました。概念がこうも変化すると業法や規制はおろか、本来公正であるべき徴税さえもままなりません。私たちも茹でガエル状態で頭は「ボーッ」としたまんま日々が過ぎています。悪戯に目の前の利益不利益ばかりに注意が行くものですから、冷静に原理を見つめることができないでいます。なにより、TPP効果が14兆円という報道が良い例です。

2015年12月25日 14:46 ｜コメント｜

ほんとにX’MASなのですか

なんていうほどムードがありません。TVやラジオは無理やりマインドを持ち上げているようですが、如何ともしがたいのが現実なようです。ハロウィーン「トリック･オア･トリート」の方がX’MASの経済効果を抜いたのではないでしょうか。やはり仮装できて街の中を練り歩けたのが勝因ですね。対象年齢もどちらかというとX’MASの方が低い。この分では大晦日やお正月も日常的な過ごし方になり、日本の古式豊かな文化も「風と共に去りぬ」ですね。ジャニーズの「嵐」というグループが出演しています「年賀状を下さい」のCMがやたら耳目に襲いかかっていますが、この私には文化的なコンセプトの継続より、日本郵政グループに入る「郵便利益を下さい」としか聞こえてきません。ユーチューブより。
https://www.youtube.com/watch?v=eE-6h86-Yq0

2015年12月24日 17:08 ｜コメント｜

みんながレジェンドになっていく

「パーティ･イズ･オーヴァー」とはよく言ったものです。MRSのリーダーから送信されてきた1通のメールがこの私の1ヶ月間を夢心地にしてくれました。35年前の記憶を辿っている時間は、私にとって貴重なものでしたが、同時に日々過ぎていく現実の時間に嫌悪すら感じたのも事実。最後の1週間に至ってはワープしたかのように失われ、当日が来なければとの思いに駆られたのです。今、現実の仕事に戻ったこの私は「スタジオDEカンパイ」を永久に忘れないためにも、もう一度夢を紡ぐ作業に取り掛かることが大事なのだと気が付きます。みんなをレジェンドにすることで、このペシミスティックな気持ちを変えられるかも知れない･･･｡でも悲観しなければいけないことって何でしょうか。「浜松のGSがどんどん潰れているんだ」リーダーの彼が発した言葉のトーンは不思議そうでした。初夏から秋口にかけて火ぶたが切られた石油業界の代理戦争（コストコの嵐）は所構わず吹き荒れています。現在はこの北陸地方がストーム状態。セルフとフルサービスの価格差が話題になっていた時代はとうに過ぎ、今はセルフ店同士に大きな価格差が生じています。1ℓの闘いを強いられているカテゴリーにこれは過去に事例のない異変です。数量争いが宿命のはずなのにこの現象に正直「うむむ」です。斜陽になってしまった業界の破れかぶれの悪あがきでしょうか。それともTPPのGS版がスタートしたとでもいうのでしょうか。いずれにしても第三者の手を利用してまで、地場減らしが理不尽に実行されていくとしたら、私の全てを賭す時がきます。

2015年12月22日 14:59 ｜コメント｜

35年前にタイムスリップした14人③

「全員で出来るナンバーないかな」誰かが言い出しましたが、ベストな曲が出てきません。ほどなく、「じゃ片付けした後で全員集合の写真撮りましょう」幹事（後輩の皆さんありがとう）さんから発せられる言葉にトランスから解放された面々は最後の全員撮影に臨みます。心は大学生、体は50代になった14人の人生は35年の時を経て、今ここに集った証を刻んだのでした。しかし名残り惜しいのは全員一緒です。スタジオがはねた後、近くの居酒屋になだれ込ました。そこでようやく、ヨモヤマ話ができたのですが、卒業後の人生の縁取りを話すそれぞれの顔によぎったものは輪廻転生でしょうか。一緒に乗りこんだ帰りのタクシーで、伊藤がボソッと喋った言葉が印象に残ります。「これで俺の抜けていた時期のピースがはまった感じだ」私だけではなかったのです。あのころ大学生だった私たちの青春と夢はもう戻ってはきませんが、代わりに得たものは宝物より素晴らしい友情でした。

2015年12月21日 16:23 ｜コメント｜

35年前にタイムスリップした14人②

座ったまま私の横で彼は「あんバラ」を弾きだします。歌は突然始まるのでした。「ちゃんとやろう」てなことで一段上がったステージでMRS登場です。課題曲の3曲を矢継ぎ早に披露した後は、我も我もとばかりに次から次へとステージに上がります。スタジオは、演奏しっ放しのトランス状態に突入。可笑しいことに35年前は他のバンド演奏に手拍子やハンカチを振り回すなんてことは頼まれてもしなかった仲間が（みんなライバル意識が強い）嬉しそうにギャラリーしているではありませんか。時の流れとはいえ、皆大人になったのです。現役プレイヤーが中に居てくれるお蔭で演奏はダンダン合ってきました。テーブルのケータリングもプレイヤーのアクションに目が奪われていて満足に口に入りませんし、喋りたい人がいるのにガンガンの演奏はそれも許してくれません。後で聞いた話ですが、去年はここまで盛り上がらなかった由。今年のエネルギーの根源がMRSだとしたなら光栄の極み。さて、気ままな勝手演奏は後半を迎え、セッションの本番です。クリーム、ツェッペリン、ディープパープルとブリティッシュハードロックのメドレーになった時点でヴォーカルが入ります。やっぱりバンドはみんなが歌えるナンバーが当然受けます。全員の顔は破顔一笑のオンパレード、プレイヤーたちは疲れ知らずで弾くものですから誰も止められません。幸せの時間は「あっ」という間だと実感したのは、いよいよ忘年会も最後の30分を迎えた時でした。

2015年12月21日 16:18 ｜コメント｜