安く売るには利益を削る?
2015年のラストを飾る日経電子版のトップは「ガソリン安売り競争は2016年も続く」でした。全国33,000余りの販売店にとって、そのキャプションは悲しいかな、もうナンセンスです。特に地域の地場販売店には迷惑な話題。記者の人も目立った記事がなくなるとガソリンスタンドの危機を載せます。TV局が同じように動物ものをONAIRするのと似ています。今年の石油業界はその前年とは趣を異にしました。原油下落の傾向は同じような曲線を辿ったのですが中身がまるで違いました。それは新しい年2016年の最初に噴出して社会問題になるかもしれません。私が由々しく思うのは、業界も所轄官庁も手遅れを承知しているかのような無粋な対応をとっていることです。ここではっきりしたいのは、販売店の利益などクソにもならない程度に低いことと、1ℓの半分以上が税金で占められはじめ、しかしそれは年々徴収が減っていき、ついにはメーカーの資金調達に支障をきたすのに、この無粋な神経は何なのでしょう。日経の見出しにも違和感を憶えます。販売店の利益は現在の消費税分にも満たない哀れな数字であることは百も承知なはず。これでさらに「競争が激化」を謳うとは笑止千万。「廃業のコンテンツ」でも特集した方が読む側には精神衛生上よろしいかと思うのです。
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