老後の楽しみ
1978年から「ザ・ベストテン」という久米宏さんと黒柳徹子さんの司会でONAIRが始まった歌番組が人気でした。毎週ランキングされる歌手たちに一喜一憂した視聴者はその日が来るのを待ちわびていたものです。番組の最後に黒柳さんが「老後の楽しみ」と称して出演者全員で「ハイポーズ」と写真を撮るのが恒例でした。毎週撮影された?であろう「老後の楽しみ」を黒柳さんは今でもお持ちでしょうか。実はこの私も同様な「老後の楽しみ」を携えています。1990年代バブル期にマスコミ業界で仕事をしていた私は、オファーを受けた仕事の完パケ(映像はD1若しくはD2テープ、音楽はDAT)のほとんどを当時のスタジオエンジニアだったYちゃんにお願いして保存していました。映像は1/2VHSテープに、音楽はカセットテープにそれぞれ落として保管しました。その時の私の台詞が「老後の楽しみ」にという黒柳さんの言葉を拝借していたのです。特に外タレ・アーチストの告知CMは数えきれない程の保管本数になりました。先日それを1本のフェイバリットDVDにして見直してみましたが、どのアーチストの告知も100%の完成度とはいかないものの、願望や羨望、憧れと尊敬が滲み出ていて、それだけでも◎です。あのころ「老後の楽しみ」と称して、映像や音楽を作品として残しておいて良かったと今になって胸を撫でおろすのですが、何より自分の仕事を保存できたのは周囲の協力のお蔭です。20年以上経過した自身の情熱の塊を、自らの子供たちに証明できることはこの上ない幸せですが、それを誰に感謝するのかといえば「老後の楽しみ」というヒントをくれた黒柳さんでしょうか。人生のきっかけは瞬間のフラッシュバックです。
https://www.youtube.com/watch?v=6iPLG4neptM
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