ニッポンのミライとは
TPPが基本合意されてから2か月経過しました。政府はその効果を14兆と発表しましたが、根拠をもう少し明確にして欲しいと感じたのは私だけではないでしょう。私の仕事柄どうしてもTPP=原油話になるのですが、来年の示唆される原油価格は20㌦です。(もっとも16年半ば以降40㌦台、17年初頭は50㌦台の推移予測)OPECの中心国サウジアラビアはどう動くのでしょうか。先にも書いたように儲かっていた頃の準備金が豊富にあるサウジの国民は教育、医療が基本無料で受けられます。これは一重にその準備金のお蔭であることは自明です。しかし来年からは、その準備金を取り崩さなければいけなくなる事態に。米国のシェール革命によってNO.1産出国の椅子が入れ替わり、主導権は米国の手の中にあるからです。世界は3年も経ない間に新たな革命が起きそうです。日本も原油は想定以上に安価になったのですが、政府が原発に依存する姿勢を明確にしています。石油業界も急速に収縮していく化石燃料事情に、より現実的にならねばいけないのに、供給過剰を止められません。先送りが日本人の十八番かも知れませんが、その糊代がもうないのにも関わらずに相変わらずの数量主義。これは何も石油業界だけではなく、すべての業界に通じること。政府はこれまでにも成長戦略の一環として規制緩和を推進してきたのですが、ほとんど形が変わらないので、自らの手で実行するのを止めました。理由はTPPの合意形成によるものです。首相は諸外国の手を利用して一気に緩和されるのを選んだのです。来年の注目は「何をするのかより、それを誰とするのか」に力点が置かれるのでしょう。
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