増税率2%=増税額25% これをどう見るか
全国のガソリンスタンドが蒼ざめている。ガソリンの販売数量が減っているのだ。1996年には60,000店近くあった販売店も現在は30,000店を切った。今から6年前の2013年に自分で書いたGS概論を読みながら唸ってしまうのは何故か。個人のレベルで解釈していても業界全体が舵を切らないと座礁してしまう典型的な例に警鐘は響かない。リポート内容はこうだ。『2020年のガソリン需要予測は3,600万kl(2013年のガソリン需要5,500万kl)次世代車両の比率は新車の70%で保有の56%になる。』と書いている。当時の何とか総研が示した資料を引っ張ってきたのだろうが、次世代車両がHVだとするとほぼ当たっているのではないか。こんなことは外れてほしいことだが、現実は1年前倒しで来ているようだ。予測はさらに踏み込んでいるのだが『販売店数は五輪の年に27,000店を割り込み、現在の消費税5%が10%になると内需が減るのでガソリン税も減収となり、現在2兆9,600億円のガソリン税収は1兆9,300億円に減ってしまうだろう。』この1兆円減の穴埋めには増税するしか手段はなく、そのターゲットになるのが言うまでもなくガソリン税だ。EVに対する課税の方が先なんではないかと思うが、ここは政治と経済界が絡む世界、自動車業界や電力業界に比べると石油業界の政治力の無さにメンタルが落ちる思いである。財務省は今までも課税しやすいところから課税してきている過去を考えるとお先は暗い。現状のガソリン税は53.8円(本則税28.7円)だが、2013年時点の税収額2兆9,600億円を維持したいとするならば、最低でもガソリン税は80円、であれば1ℓのガソリン単価は180円前後となる。秋に予定されている消費税率の2%分は実質金額にすると25%の資金を用だてないとビジネスは安定しにくい。今年に入って複数の食品メーカーが値上げを表明しているが、25%をチャラにするには最低でも10%の値上げは必要なんである。さて、ガソリン増税の話は導火線に火が点く寸前だが、2%の消費増税が1兆円のガソリン税減収分を織り込んでいるとするなら、その先の更なる増税が鮮明に見えてくる。
https://www.youtube.com/watch?v=BUp2F7Y6oHc
2019年02月08日 15:09