国民栄誉賞の廃止論
「三度目のオファーを断ったイチロー選手は正しい。」舛添要一前東京都知事は国民栄誉賞の廃止を唱えた。持論を言うのは勝手だが、とばっちりを受ける過去のスポーツ受賞者たちの気持ちは複雑だろう。この論に乗っかるスポーツ記者たちの言い分が振るっいている。柔道の野村選手、水泳の北島選手、そしてMLBの野茂選手たちの偉業を比較に出しながら「舛添氏が言うまでもなく、国民栄誉賞の基準なんてさっぱり分かりません。野村、北島、野茂が受賞していないのは実に不可解。」(スポーツ紙記者)さらにスポーツマスコミの多くが疑問を呈している長嶋&松井のW受賞を俎上に挙げる。「安倍晋三内閣が授与したのですが、当時の話では今さら長嶋氏にというのもおかしいので、松井氏と〝抱き合わせた〟というのです。長嶋氏単独受賞でも、誰も文句を言わないでしょうに。それを松井氏を噛ませたことで賞の質が格段に落ちた。長嶋氏と松井氏じゃ〝珠と瓦〟。何しろいまだ放出された『ヤンキース愛』で委託アドバイザーをやっている。実績といい、行動といい、松井氏にあげたので賞の質はガタ落ちですよ。」ここまでは百歩譲ってもこの後の話はナンセンスだ。「松井氏は2009年にワールドシリーズで活躍。ヤンキースは優勝し彼はMVPになった。でもこれは短期決戦のラッキー賞みたいなもので、レギュラーシーズンのタイトルとは認められていない。その証拠に、松井氏はMVPを取った直後、ヤンキースからロサンゼルス・エンゼルスに放出されたのです。」いやはやスポーツ記者がこんな目線で松井を見ているなんて只々驚くばかりだが、確かに国民栄誉賞は問題が多すぎて権威が落ちたことも事実だろう。しかし選定する側が政府である以上、基準の設定は永久に設けられない。賞と名のつくものは叙勲も含めて政府の出すエサみたいに考えていた方が楽じゃないだろうか。尚、ここで一言だけ言っておくが、松井秀喜の日米での実績をカスのように言うのはジーザスだ。因みに安倍政権での受賞者が一番多く、現在までに7人が受賞している。
2019年04月12日 14:02