2人に与えられた意味の違う「解雇」
TOKIOの山口達也が犯した女子高生強制わいせつは6日夜、芸能活動の無期限謹慎から契約解除という事実上の「解雇」発表は、所属事務所による限りなく胡散臭いギミックです。4人の記者会見は平身低頭の喪服姿でしたが、彼等たちには事前に役割が与えられていたように思えました。説明役、怒り役、擁護役、寄り添う役と4つの主張が見事にブレずに行われたバランス感覚は、バンドメンバーならではの離れ業です。所属事務所はその後に吹き荒れるマスコミを含めた世論の風をジッと眺めた結果、怒り役が涙ながらに発言した言葉が一番適切なのだと判断、4人の記者会見後、世論が解散まで望んでいないことを確認した事務所関係者は、当初の「謹慎」処分から180度急転させた「解雇」にすり替えたのです。あくまで持論ですが、上手から下手までのシナリオは4人の記者会見を設定した時点で自明だったでしょう。ファンの誰もが「彼らの涙に嘘はない」と言うでしょうが私も思いは同じです。ですが、芸能界の重鎮から「TOKIOに禊(みそぎ)を用意させて世間からのバッシングを最小限に留めよ」との指示があったことは想像に難しくありません。他方、重鎮の指示と言えば、4日、MLBのシアトルマリナーズがイチロー選手に施したリスペクトな提案にも驚かされました。「今季の残り試合に出場せず、球団の会長付特別補佐に就任する」としたGMの発表は、現役は引退せずチームに同行し、ユニホーム姿で練習を行いながら試合には出場しないなんて、プロ野球に詳しい人ならさっぱり理解できない内容の会見でしたが、これも「戦力外通告」「自由契約」「解雇」と発表したのではMLB全体やマリナーズに多大に貢献した選手にふさわしくないと関係者たちが判断、世間のバッシングを受けない形の処遇を模索していたのでしょう。「マリナーズはフィールド外でもイチローの価値を取り込みたい」とした彼の琴線に触れるようなGMのゲスな忖度発言は、今までにないイチローのニコニコ会見でも理解するところです。TOKIOとイチローの処遇は全く別物の話かも知れませんが、ビジネスライクにおいては同じ本質でしょう。最後に見たイチローの打席は空振りの三振でしたが、44歳相応のバットスイングでした。
https://www.youtube.com/watch?v=MoC-n9ZAeeQ
2018年05月07日 17:14