紅白に素人が出演 時代は変わる!
「大晦日に放送される第68回NHK紅白歌合戦に、大阪府立登美丘高校ダンス部が出場する。」この発表に「今までの紅白ってこんなに何でもアリだったかな」半世紀にわたって見てきた(最近は専ら「ガキ使」ですが)大晦日の国民的行事である「紅白」に素人が出場することを理解するのは正直難しいのです。私が小学生の時代「紅白歌合戦」は大晦日の、いえ日本の絶対的な番組でした。1年の納めの日であるこの日は、嬉しくも悲しくもある特別な日だったことを思い出します。当時暮らしていた家は美容院との併設型住居で、当日はお正月の髪結いや着付けのお客で朝から蜂の巣を突いたような1年で一番酷い日。親の仕事に文句を付けられない私が部屋にこもって実行する小さな抵抗も、店内の騒々しさをさらに際立たせるだけで全く効果がありませんでした。夜になって炬燵に入りながら見る「紅白歌合戦」は眩いばかりの世界が私の目を奪うのですが、心の中を吹いていくスキマ風までは埋めてくれません。大晦日恒例の「すき焼き」(この時代の定番メニュー)具材が置かれたままのテーブルに「キュルキュルグ~ッ」お腹が空くばかりで紅白どころではなくなっていく私。「もう少ししたら終るからね」時々店から顔を出す母親の言葉は1ミリの慰めにもなりません。そのうちに父親が帰ってくると茶の間が一気に緊張に包まれるのでした。─ あれから50年が経って冒頭のニュースに思うのは「昭和の象徴の崩壊」でしょうか。私の胸の中に仕舞われていた切ない思い出と小さな憧れは、溜息とともに空の彼方に消えていきます。2017年11月 登美丘高校ダンス部&荻野目洋子「バブリーダンス」
https://www.youtube.com/watch?v=fyB3gHcSeM8
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