織り込まれた引退 悲運の女王
昨夜自らのブログで現役引退を発表したフィギュアスケートの浅田真央選手ですが、今朝になり民放全てがブレイキングニュースとして世界に配信しています。この発表がブログからだとしたことに「浅田選手の人柄」に負うところが大きいと感じた私はさらに思います。「この引退は、あの躓き(つまずき)さえなければ時期が違っていたはず」そう断言できる背景を追ってみます。彼女は2000年代に天才少女と謳われて数々の大会に優勝、将来の「五輪で金」はファンならずとも確信されていました。しかし15歳の時に誕生日の兼ね合い(年齢制限)で五輪代表を逃します。この時の不運が、後の彼女のスケート人生にまとわりついていきます。「次の五輪で金メダル」とマスコミを含めたファンの私たちもそう確信していましたが、大会ごとに著しい成長を見せてきた彼女の演技は、トリノ五輪の不出場を頂点に何故か下降していきます。身体の成長が演技に影響しているのではないかと見る専門家もいましたが、不本意な演技に納得のいかない表情の浅田選手は、見る側の私たちにも不安を抱かせるのでした。2010年のバンクーバー五輪までの4年間は確かに長すぎ、まさかの銀メダルに誰よりも一番ショックだったのは彼女本人であり、表彰式後の涙は浅田選手の人柄が滲み出た瞬間でした。本来ならここで現役に終止符を打つのだと思うのですが、浅田選手は「2014年のソチ五輪を目指す」と答え(させられた?)るのです。この時点でスケート関係者は容易ならざる空気に包まれた事でしょう。スケート界を牽引した功績よりも彼女を商品と見なしたスポンサーの経済原理がこの瞬間に勝(まさ)ったのです。こうなるとモノを言うのが「契約」というスポーツビジネス、代理人を確立できないアマチュアスケーターは、自分の意志とは関係のない方向に舵が切られることに孤立感が深まります。すでに体と心の葛藤は昨年末の大会で結論が出ていました。年間契約を結んでいるスポンサーとの契約が終了する3月か4月に会見かと一部で囁かれていましたが、発表するタイミングを世界選手権(ヘルシンキ)終了(4月2日)に配慮したところは彼女の持つ人柄の成せる業です。でも、これで浅田真央さんは晴れて自由な26歳になったのです。12日に行われる会見で悲運の女王は何を語るでしょう。浅田真央選手現役引退。
https://www.youtube.com/watch?v=0uvXUT5Zvm8
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