引っ越し魔は過去も置いていく
3月も最終週に突入した私の周辺は、人の異動がクライマックスを迎え落ち着きません。今でこそ居住を移す年齢や立場から離れてしまった私ですが、大学時代から社会人、そして自分で起業するまでの期間に6度の引っ越しを経験します。当時の仲間たちは「引っ越し魔」だと私を揶揄していましたが、その後も2度居住まいを変えることになり、結局合計8回も転々としたのでした。しかしこの8回全ての引っ越しにはある共通していたことがあります。それは、その度にソファやテーブル等の生活必需品を「棄てていく」私のポリシーとする考えでした。荷造りを手伝う友人たちは異口同音に「勿体ない」「なんで棄てるんだ?」「これまだ使えるゾ」と一斉に訝(いぶか)るのですが、そこは百戦錬磨の引っ越し魔で通っている私のこと、冗舌な台詞で返します。「棄てると生き返るからだよ」「何が?」「心の整理だよ」「越したことないからわからないね」「引っ越す度に成長していける気持ちになるんだな」「誰の金言だ?」「大学時代の友達が親から聞いたんだそうだ」あれから4半世紀経った今、引っ越す度に過去の「走馬灯」を巡らせ、リセットしていた私の心は、果して成長させることができていたのでしょうか。夢と希望と信念を持って生きていたあの頃が眩しい光を放つのですが「成長と引き換えに大事なものも置いてきたのではないか」「あれはあれで正しかったのだろうか」「あの場所へもう一度戻ったなら誰かに会えるかな」溢れ出る後悔と懺悔が私の胸に去来します。格言名言。
https://www.youtube.com/watch?v=pUkp172dsrg
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