診断書のお値段
京都府立医科大付属病院が暴力団組長の収監見送りを巡り、大阪高検などに虚偽の病状を記した回答書を提出したと報じられた事件ですが、ちょっと視点を変えて掘り下げてみました。確かに組長の収監見送りに協力した学長と、虚偽の診断書に同調した院長や事務長の罪は社会の影響を考えると、到底許せるものではありませんが、そもそもは府警OBの仲介(天下り癒着)がらみの事件です。常識では100%引き受けられない相談を学長が承諾した理由は何なのでしょう。特段の義理があったとは思えないこの関係を成立させたのは、カネの存在でしょうか。見方を変えた私が最も切なく思うのは、この病院が今後、厚労省や自治体から交付金補助金等の支援を受けられなくなることです。さらには銀行等の金融業界もこの病院をバックアップすることが出来ません。なぜなら融資の際に銀行側が「暴力団排除条項」に必要なサインを求めなければいけないからであり、「お客様が反社会的勢力に該当または関係していると判明した場合」や「お客様が自らまたは第三者を利用して暴力的な要求行為を行った場合」には、取引預金口座等の利用を停止し、通知したうえで解約できるとする厳しいルールの下で運用されているからで、融資している取引銀行はほどなくこの病院に出向くでしょう。大きな代償は、病院だけではない個人やその家族にも及ぶ万死に値する行為でした。「昭和のしがらみ」が現代にマッチしない事をこの事件は教えてくれます。組長“収監逃れ” 京都府立医大が虚偽診断書作成。
https://www.youtube.com/watch?v=BhOqnDr0yfI
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