百合子コールは逆効果
小池都知事が主宰する「希望の塾」第3回講義が品川のグランドプリンスホテル新高輪で行われたのですが、漸くスタメンの一人である「改革の塊」竹中平蔵氏が講義されました。塾長である小池知事の挨拶も、その一歩踏み込んだメッセージは「鳥の目」「虫の目」「魚の目」を元にした志の話で、希望を抱かせるのと同時に生半可な気持ちではダメよと諭します。選挙の話についても「現実を踏まえた実践的な即戦力」とする議員又は立候補者の後押しをしますと明言しました。終了後の囲み取材に対しても「来年夏の東京都議選に、塾生の中から候補者を選抜、擁立する」意向を述べたのです。しかし如何せん時間が足りないどころか、追加募集した塾生900人も入れると約4000人の巨大集団をどんな方法で選別、取捨していくのかが何一つ示されていません。「選挙区の地域事情の分析が必要だ。その中で、当選の確率が高いのはどなたか。ほかの顔ぶれ、調整はできるのか。複数の要素を合わせて考えたい」とした知事は塾生の中に野党議員がいることも承知なのでしょうが、彼らの出処を吟味する時間はあるのでしょうか。その前に4000人に及ぶ塾生との面接審査はするべきですし、ここに時間を費やす電通レベルのノウハウがないと応援団の結成はおろか、それ自体が雲散霧消することにもなりかねません。しかも「塾生ファースト」という大義を示す時だったのですが、小池知事が登壇する前に一部のミーハーもどきが「百合子」コールで会場をシラケさせたことはいただけません。真摯に向き合っている塾生には鼻持ちならなかったようで、小池ブレーンらしからぬ過剰な演出は勘違いと焦りからくるものでしょうか、勇み足に心配が募ります。
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