GSのビジネスモデルとは
先々の経済が想定を含めて分かってしまう経営者でいられることも、会社あってのこと。その時に備えて防衛と攻撃手段を考えても実行するのは法人格の会社です。経営者の指示する方向性やデザインが時代やニーズに合わなければ、即刻立ち行かなくなることに人々は労使ともに緊張感を持ち出しました。昭和時代の仕事の仕方を棄てられないでいる会社や社員の多い地方も、漸く少しずつ変化しだしましたが、正直にいえば遅きに逸しています。ドラスティックを超えた改革が必要なのに邪魔をするのは「規制」だけではありません。「業界」や「組合」「自治体」等の集合体に遠慮しているがためにポシャることは誰の目にも明らかですが、言っている私自身の業界もまさに「規制のルツボ」で、これを緩和しない限りどんなアイディアをもってしても業法違反で潰されます。私は異業種から来たばかりの頃「GSは何故1つのマークだけで営業しているの?」と担当者に質問したことがありました。「そんなこと考える経営者はいません。契約書に同一敷地内で他社製品を扱わないとされていますから」担当者は一笑に付します。「でも電気屋さんはソニーや日立、シャープ、東芝、三菱、パナソニックと複数のマーク掲げて商売しているじゃない?」私はお客目線での商売を目指したかったのです。「複数のマークが計量機に価格を掲示して設置すれば給油自体に面白みが出るし、価格も計量機によって違えばTPOによって給油できるのでお客は懐事情も含めてありがたく思う」のが私の考えでしたが、業界側は地下タンクとPOSシステムの問題を盾に全くナンセンスで馬鹿げたことだと一蹴したのです。しかし絵空事も20年以上経つと現実感が滲みます。少子高齢、自動車燃費の向上と文化の変化、そしてITの進化に世界経済がボーダーレス化されたことにどんな軌道修正をするのでしょうか。業界が規制利益の中にあって、製販一体を優先し続ける限り、我々オーナー店の新しいビジネスモデルは遠のくばかりです。
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