株式会社　津幡石油        (tsubata sekiyu)

テンプレートな恋愛

今、ITの進化によって専門職だったクリエイティヴな仕事が洪水のように巷に溢れだしています。かつてマスコミで仕事ができた人たちは、「特別な能力の持ち主」として憧れと羨望の眼差しで見られていました。私の就活時代であった1980年代のマスコミ業界は、それこそ「キラ星」の如きで、ほとんどの分野が狭き門、専門性と高いスキルが要求された世界だったのです。しかし21世紀に入ると同時に社会はIT中心となり、ユーチューブの出現によって過去の作品がループして何度も見ることが出来るようになりました。私を真剣に向き合わせていた時期の音楽や映像作品も容易にプレイバック出来るので、検索しながら見直せることは大きな喜びなのですが、拍子抜けのガッカリさも想像以上なのです。特に映像におけるその違いは、天変地異が起きたのかと思うほどに隔世の感です。1980年代のCG映画などは見るに堪えられないほどチープに見えて、失笑ものなのですが、2000年代の作品もVFXの日進月歩が過ぎるせいでしょうか、現在の作品に比べて見劣りします。TVも4Kという既存の画素数を2倍にした高画質TVを登場させたのですから、ソフトも併走するしかありません。では音楽はどうでしょうか。この分野も以前と違い、誰でも簡単に曲がつくれてしまいます。特段の能力がなくてもイメージをPCに入力すれば、ソフトが勝手に作ってくれますが、詞に限ってはそう簡単にはいきません。テンプレート化した今の歌詞に感情移入できないのは年齢のせいだけではありません。昭和時代に歌われていた歌詞は、日本人の心を情緒的にさせました。そのワードをトリミングしてコンピュータに入力させても心には伝わらないでしょう。何故なら、入力する現代の日本人が無味乾燥で、情緒のない日常を送っているからです。豊かな想像や抒情を感じない人の書く（入力する）詩は、聴く側の魂を揺さぶることはありません。びっくりポンの未来VFX映像。ユーチューブより。https://www.youtube.com/watch?v=GWS0gwpa12Y
https://www.youtube.com/watch?v=HR-tEbmBjWc