大学時代のレジェンド
普段は日曜日の夜などに出歩かない私ですが、大学時代のバンド仲間が来るとなると違います。昨年末の「スタジオDEカンパイ」は予想以上に私の心を潤わせ、運命と退屈な日々に色をつけてくれました。こうも立て続けにめぐり合うことに、何のチカラが働いているのかわからないのですが、35年という歳月は人生の集大成のど真ん中になるのでしょう。私たちはその準備に余念がありません。リズムギターだった伊藤は、計測機器会社の人事課に席を置き、卒業する大学生の採用担当者として国内の大学を駆け回る仕事。バンドでの自分を「エアギターの第一人者は俺」と言い放つ彼の風貌は、社会人としての知識と経験が滲んでいて感動すらおぼえます。居酒屋の椅子に座るや否や、バンド活動のヨモヤマ話に花が咲き誇ったのですが、途中矢も楯もたまらず、「リーダーの有谷に電話しよう」この私の提案に伊藤は「じゃあ山口と一美ちゃんは俺がする」カウンターの私たちは他の客に委細構わず大声になっていきます。伊藤の嬉しそうな横顔を見ながら、浜松にいる有谷にコールすると「賑わってるねぇ」どうやら事前に知らされていた様子。でも口調は相変わらず穏やかで冷静な、やっぱり学校の先生なんだなぁ。35年前から今でも彼は「MRS」というロックバンドのリーダー。話はお互いに影響を受けたアーチストたちの名前を言い合うのですが「スティーリー・ダン」「バドカン」「キース・ジャレット」。でも、そんな話などどうでもいいのです。私は35年経っても変わらない、この間柄に感激しているのです。伊藤は言います「いや、お前がプロ志向なのはわかっていた」「京王線で女の子にMRSの人って声掛けられた」「有谷がドンドン上手くなった」「MRSを一番理解していたのは彼だった」「できれば一緒にプロ・・・」私は言いかけると一気に大吟醸の冷酒を飲み干しました。時間が止まってくれないだろうか。時の流れを止めたい。「歌を捧げて」ユーチューブより。
https://www.youtube.com/watch?v=E7QcCY7Wb_s
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