ちょっと種類の違う人生
今から10年前に父を亡くした私。故人の遺志を引き継ぐことの難しさを、身を持って体感する日々が続いているのですが、亡くして間もない頃は特に戸惑っていました。困難にぶつかった時、思うことは「この決断が正しいか否か」なのですが、故人を思いながら尋ねても、当然納得する答えなど聴こえてはきませんでした。あれから10年経ちましたが、私は曲がりなりにも我が身の中で納得のいく決断が出来ているのでしょうか。今年の初め、TVに出始めの頃から気になる存在のジャーナリストであった竹田圭吾氏が51歳の若さで亡くなられました。「この人の着眼点は変わっている」TV出演していた氏のコメントする内容はいつも私の考えと違っていました。どういう切り口で話すのか、だんだん興味を持って彼の言葉を聴くようになります。人間は自分と同じ思想を持つ人には安心はするものの、いつか飽きてしまうものです。同じ匂いのする人を嗅ぎ分ける能力が人一倍強い私にとっては全く対極の人物。最後まで私とは違うスタイルに驚かされたのは、病に冒された時の言葉です。「ちょっと種類の違う人生が続いてるだけなんですね」人と違うことに喜びを感じる私も、この言葉には「脱帽」と「尊崇」の念を持ったのでした。
コメント