「木枯し紋次郎」という生き方
「あっしには関わりねぇこってござんす」このセリフと、長楊枝を咥えた渡世人は、1972年に大ヒットした時代劇「木枯し紋次郎」。つい先ごろまでCS放送されていたのですが、製作はフジテレビでした。第1弾の大ヒットで「続・木枯し紋次郎」さらに「新・木枯し紋次郎」は東京12チャンネル(現テレビ東京)で製作されましたが、最高視聴率38パーセントを記録した第1弾を超えることは出来ませんでした。リアルタイムに見た頃の私の印象は、時代劇の定番「勧善懲悪」とは切り口の違う脚本と、意表を突いた主題歌のコンセプトでしたが、同時に、主人公の「関わりたくない」のに「関わっていく」「事の成り行き」と「義理と人情」の心理描写に共感を覚えた記憶があります。43年後に再び見るきっかけになったのは、現代とは大きくかけ離れた日本人の魂のようなものを確認したかったのでしょうか、視点の違った「勧善懲悪」劇に私は再び気持ちを掴まれ、最終回まで見てしまうことになったのです。さて、現代のTVドラマは何がテーマになっているのでしょう。TBSの「半沢直樹」や「下町ロケット」は背景や人物設定は違っても「勧善懲悪」がコアテーマでした。日本人は「いにしえ」の時代から、この「勧善懲悪」がDNAとして確立されているのでしょう。日本のTV局は、まだまだ現役で仕事をしている、このクラシカルな世代に「元気」と「勇気」を与え続けるドラマを提供していくべきで、DNAを発奮させる「責任」と「使命」があると思うのです。「木枯し紋次郎」OP曲。ユーチューブより。
https://www.youtube.com/watch?v=oIG3nuknBU8
コメント