急に成績が上がる選手
今年に入ってから怒涛のごとく起きるネガティブな事件は、ついにスポーツの世界をも抉り出しました。先日のマラソンランナーは、優勝とオリンピック基準を満たしたにも関わらず、来月の最終選考大会に再び出場するとした報道には、正直切ない思いに駆られます。そして今朝は、元プロ野球選手の覚せい剤所持による逮捕報道です。最早スポーツは殺されてしまうのでしょうか。「スポーツを殺すもの」の著者であるスポーツジャーナリスト谷口源太郎氏は「オリンピックの普遍的な価値」を訴えています。氏は「実際にはナショナリズムに基づいた国威発揚の手段としてメダル競争がオリンピックを支配してしまい、選手の人間性は歪まされ壊されている。ナショナリズムを克服するにはどうすればいいのだろうか」これを裏付けるように、ロシアの陸上ドーピング疑惑は組織の背後に国家の存在が見え隠れしていますし、FIFAワールドカップの誘致に絡む汚職疑惑は4半世紀も前から疑われていたといいます。MLBもドーピング疑惑が晴れずに殿堂入りできない選手がいますが、今朝の覚せい剤所持逮捕を俯瞰で見た場合、日本プロ野球もドーピングを実施すべき時期に来たように思います。いずれにしてもこの疑惑の全てが真実ならば、私たち見る側が熱狂し、感動したスポーツとは何だったことになるのでしょう。金メダルを胸に国旗を纏い、歓声に応えたオリンピック選手の存在や、グランドスラムを数多く制したテニスプレーヤー、そしてホームランを打ち続け、世界記録を達成した野球選手らにかけられた疑惑を、晴らさない検証もしないでは、これからのスポーツを真正面から見ることはできません。スポーツに行き過ぎた国家主義、裏金とドーピングが絡むのは仕方がないとなれば、オリンピックは興行に成り下がり、プロスポーツの世界はギャンブルの「one of them」として細々と生き残っていくしか道はないでしょう。BBC ユーチューブ。
https://www.youtube.com/watch?v=gOEQwV6jYOs
コメント