クリックは3回まで
今から15年前の2001年に当店のホームページは開設されたのですが、当時の世間はITそのものが、現在のように受け入れられてはいませんでした。特に日本海側の地域は無視同然の扱い。他県からの問い合わせメールが送信されて来る度に苦笑いしたものです。また、HPとほぼ時期を同じにして、私はオリジナルの売上ソフトをSEの人と一緒に構築することになります。ガソリンスタンド業界では管理するコンピュータに「POS」が存在していましたが、これはメーカー主導によるもので、現場のリアルタイム営業にはあまり役立つシステムではありません。この現状を何とか改善しようと考えたのですが、実際のソフト作成は想像以上に困難で、七転八倒することになります。サービスに踏み込めば踏み込むほど頭がどんどんマルチ化され、リクエストが止まりません。当然ソフトのレベルが上がっていき、完成日程も未定になります。「カテゴリー分類から法則までをクリック3回でポップアップ表示にならないか」私の無茶苦茶な提案に、SEの彼は黙って考え込みます。「帰ってやり直します」1週間後にプロトタイプを見せられた私は「これでは消費活動の法則がはっきりしないし、クリック数も5回は多いです。幼稚園児にでも出来るように簡単にしてほしい」流石の彼も「法則は可能ですが、クリック回数は短縮できない」「この部分を削ぎ落してもいいですからクリック3回で到達できないか」やり取りはブラッシュアップされていきます。原型に到達できたのは、6か月後でした。最終的な完成に至るのに、追加ページと裏計算装置やインターフェイスの変更を加えれば、1年の時間を費やしたのです。現場にレクチャーする時間を入れて使用できるようになったのは2002年の春でした。ソフト名は『Key Vo』。しかし「数量の鍵」はそれを扱う人間次第であることは言うまでもありません。
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