ISD条項というオバケにビビった業界
7日のNY商品市場で原油先物相場が急落しました。OPECがまた減産を見送ったことも一因となり、1バーレル37.50ドルと、2009年2月以来の安値をつけたのです。一方、今年になって急速に合従連衡を起こしている国内石油業界ですが、原油安及び需要減による合理化策だけではない、TPPによるISD条項を見据えた決断でもあったのではないでしょうか。日本政府による明確な説明はまだありませんが、関税撤廃を目指す経済連携協定であるTPPが成立した場合、米国の石油会社は(シェールオイルの影響で世界一の産出国)原油を日本へ輸出できるようになります。日本市場での原油売買が自由化されるということがTPPの大きなポイント。(現在の法律では原油の輸出は禁止。ただし精製し付加価値をつければOKで貿易協定締結国には例外的に輸出できます)当然、国によって規制は違いますので、諸外国は日本の規制を緩和させるために罠を仕掛けてくるでしょう。訴訟問題が必ず起きます。それも仕掛けた国の側で裁判されるので、規制緩和だけでなく、莫大な損害賠償つき提訴の可能性が生まれるのです。カナダはこれでアメリカから約3000億の賠償と緩和を突き付けられ、敗訴した経緯があります。以上の事から推測するに出光興産は昭和シェルとの合併が必須でしたし、JXと東燃ゼネラルもまた然りでしょうか。憶測の域を出ませんが、全てはTPP成立後の外圧攻撃(政府官僚の指導)のために準備(制度の合理化)したのだとすれば、このスピード感にも納得するのです。
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