「EC市場」に物流はキャパオーバー
今年に入ってからネットで購入した商品が希望通りの日時に届かなくなくなりました。特に夏以降は何時になるか分からなくなるほどの遅配です。物流の担当者はその度に平身低頭するので、こちらも苦笑いするしかありません。しかし何故こうなったのでしょう。世間が電子商取引の素晴らしいところに気づいたこともあるのでしょうが、供給する側がスマホ対応をブラッシュアップさせたのと、マンションでの受け取りBOXの充実という2つの効果が想定以上の需要を生み出しているのです。2000年当初のEC市場(BtoC)は8000億規模でしたが、2013年では10兆円を超え、2020年には20兆円、2021年には25.6兆円になると野村総研が予測しています。なんとこの15年間という短い期間に10倍~20倍以上の伸長率です。我々石油業界の伸長率とは正反対の倍々ゲームで何とも羨ましい数字に驚愕です。ネット売買の現在は、BtoB(186兆円の規模に達している)BtoC、今やCtoCまで範囲が広がって、法の規制など到底追い付かないスピードで市場は拡大されています。流石に物流業界は、この遅配を解決するために時間(再配回数を減らす)と経費のかかる、共稼ぎの世帯や独身のマンションを中心にした顧客にコンビニ止めのサービスを検討しはじめましたが、供給側のヤフーは今後「EC率が小売全体の20%に到達する」と見込んでいるのだそう。だとすると、小売サービスが現在全体で300兆円なので60兆円の市場が形成されることになります。であれば現在から50兆も増大される現実に、物流業界はどのように対応するのでしょうか。「頭隠して尻隠さず」なんて呑気な話ではありません。
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