事実と真実の溝
横浜のマンション傾斜問題が世間を騒がせています。今から10年前の2005年に同じような事件が国会招致までに発展、多くの関係者を混乱させ自殺者も出た「耐震偽装」問題が思い起こされます。姉歯事件とも呼ばれたこの事件は、一級建築設計士が地震などに対する安全性の計算を偽造、これを元にした構造計算書でマンションやホテルが建設されていたという確か内部告発が発端の事件でした。「指示じゃないですか」という国会答弁の言葉とともに世間を大きく揺るがせた事なのに、たった10年でまたもや同じような内容の報道にやるせない思いです。何故繰り返して起きるのでしょうか。公共事業から民間に渡るこの手の建造物(ハコもの)には付き物なのでしょう。根本には下請け孫請けはおろか、玄孫やそれ以下の会社に請け負われてしまう構造的な問題に、日本社会がなんの解決策も見いだせていないからです。問題が噴出した時に第三者委員会なる組織を立ち上げて調査することが今は常識になってきました。しかし、これも問題を起こした側が恣意的に構成するものですから、出てくる結論も被疑者側の有利に傾くものになるようです。最近では住人説明会の前に民事弁護士を使って内容(Q&A)をシミュレーションしながら臨んでいると聞きます。今回の件もまとまらない住人の意見を逆手にとっているようです。民法や建築基準法に関しては弁護士に敵いませんものね。明日は我が身、この後どのような解決をみるのか経緯を見守るべきです。話題が変わりますが、沖縄の基地移転問題も「瑕疵」があると結論付けた第三者委員会の構成メンバーが、どうやら県知事自身の選定だったようです。そもそもの「瑕疵」の中身をつまびらかにするべく委員会を構成するのは結構なことですが、メンバー選定は公正であってほしい。前知事が承認した「根拠」を確認したいのは私だけではないでしょう。
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