朝ドラが教えてくれたこと
「まれ」が終了しました。NHKの朝のドラマとして石川が舞台になった作品は今度の「まれ」が3回目。この私も最初の回は見ましたが、石川の方言を脚本家と俳優たちが台詞にする作業は骨が折れたろうと思います。独特のイントネーションは地場の人からすれば容易でも、一度も聞いたことなく話す機会のない役者にとっては得難い経験でもあったと思います。聞きようによっては韓国語に近いアクセントの能登弁ですが、台詞上では「まんで」(共通語:ものすごい)という言葉が多用されていました。訛りが強いほど演じる側のイントネーションがファジー傾向になることに、この「まんで」という副詞がデフォルメされることでドラマにメリハリがつけられました。「だら」(共通語:馬鹿)とともにドラマの成功の一つだったことは誰もが理解するところでしょう。このことは、他の言い回しの難解度をもカムフラージュできたようで、脚本家の努力に胸を撫で下ろした関係者は多かったと察します。一部のマスコミで脚本が一貫性に欠けるとの指摘もあったようですが、とにかく能登半島の輪島を観光地として甦らせたことが「まれ」の功績の一つとして評価すべきで、この後の盛衰は能登地方の各自治体の努力と工夫にかかっています。(No.245)
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