2015年の車は飛ぶはずじゃないの?
最近、見かねるCMが増えています。私自身、まだマスコミの端くれにいた時期のCM業界にあって「世間よりも一歩二歩進んだCMは理解されない。半歩先に行くCMがベスト」といわれたことがあります。そのプロデューサーは当時、飛ぶ鳥を落とす勢いの人でしたので、説得力を感じつつも、CMは一歩くらい先でいいと思っていた私には意外でした。「そうかな?」トンガッタもの勝ちが流行の80年から90年代のクリエイターたちはこぞって、独創性を追い求めていましたし「アバンギャルド」なる言葉を、当時皆が口走しっていました。そこにこの提言です。「調子狂うなあ」いずれも私の感想ですが、そもそもCMは新商品をいかに多くの大衆に受け入れてもらい、消費に結びつけるかが大命題。現実を超越した主語のない映像の演出やコピー、そして背景の音楽も含めたCMを、見せられる側は、理解しないのです。理解しないものは買いにくい。では、半歩先とはどういうものをいうのでしょうか。東京で開催されるイベントに自動車の「モーターショー」というのがありますが、これは近未来を模索したコンセプトカーの技術とデザインの見本市。この私はカーナビメーカーの出展作品において、音楽で参加していました。晴海が開催地の頃は「コンセプトカー」そのものは、ほんとに未来の自動車で「市場で発売しないのなら関心はないな」と思ったものです。晴海の時は200万人の入場者だったのが、ここ2年くらいは100万人も行きません。先に行き過ぎたコンセプトが徐々に購入離れに繋がっていったことも原因の一つではないでしょうか。最近は特に自動車離れした日本。その間に通信端末が超速の進歩を遂げて、今では若者の必需品になっています。進歩の礎はアップルの遊び心満載のCMにあったと私は思っています。取説いらずの簡単操作はCMを見れば一目瞭然。車と端末を単純に比較はできませんが、人間の心に明かりが灯る遊び心と、くすぐるカッコよさ(これが半歩先の発想)を自動車業界も追求すればよかったのに、違う意味で勘違い(覇権争い)していたのなら残念です。今大注目のホンダS660等は中高年層に熱い支持があるそうですが、敢えて機能の一部を抑えた部分もあるとのこと。ちょっとくらい不便な方が車っぽいか・・・。さて一方、地方のCMもこの私には「うむむ」なのです。何といっても素人が出すぎていることと、どの商品のCMも「台詞と歌と踊り」いずれもがONAIRコード、いえ この私のコードに触れていて、ゲンナリだよー!って、しっかし今日の暑さにもゲンナリです。誰だこんなにクソ暑くしているのは・・・。
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