日本のいちばん長い日
時代がまだ昭和の頃、毎年8月の終戦近くになると、ONAIRされる映画がありました。私の父は、特にこの映画を好んでいたようで、一緒になって観た記憶がありますが、映画のストーリーよりも脳裏に焼き付いているシーンは残虐な撃ち合いと軍刀での斬り合う場面。鬼気迫る役者の出す緊張感を「全部丸呑みしろ」のごとく、圧倒的な映像に小学生だった私の小さな心は鷲掴みにされたまま、テレビの前から動けませんでした。傍らの父の表情は怖いくらいに真剣な眼差しであったのが印象に残っています。終戦時の父は、横須賀の予科練に居たのだそうで、曰く「もう1年戦争が続いていたらこの世にいない」が口ぐせでしたし、予科練時代のエピソードは、その後観た、映画「兵隊やくざ」と驚くほど似ていて不思議な気持になったものです。戦後70年が経過した今年、再び映画化された「日本のいちばん長い日」が8月8日に封切られます。1967年公開のものはモノクロで、どこかドキュメンタリータッチでしたが(個人の感想です)今度の映画はどういう描かれ方をしているのでしょうか。48年後のリメイクですから、切り口も気になるところ。あの時の日本の切迫した緊張感を失わせない仕上がりになっているとしたら、小学生から大人になった現在の私の心に、どんな影響を与えるのでしょう。鷲掴まれた心の痕をもう一度なぞることになるのか、公開日が待たれます。ああ、それにしても昨日は私にとって、違った意味で「長い日」でした。TV各局夜のニュースは速報扱いでしたし、今朝の日経は勿論、地方紙も1面トップで扱われたそれは、いよいよ石油業界の最終局面をリリースしたのです。
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