せいろ弁当はおいしかった
今日は土用の丑の日。この私の口に初めてウナギが飛び込んできたのは社会人になってからでした。自分で納得のいく仕事が出来るようになって、ちょっとだけ余裕ができたのでしょう。六本木のスタジオワークに明け暮れていた32歳の時、私の隣でいつもクリエィティブなアドバイスをしてくれたエンジニアのYちゃんと編集しながら「俺たち何でも出来るネ」的感覚から「俺たちは無敵なんだ」との勘違いを呼び込んでいました。バブルはカフカの小説ではありませんが人を心身ともに変身させます。パラダイム(それと知らずに私たちの思考や行動に影響を与える枠組み
)に気づきもせずに生きていたのです。いえ、気づくどころか、どんどんと欲望の権化と化し、すべての事柄が過信された社会の中で有頂天にならない方がおかしい時代だったのです。だからという訳ではありませんが、仕事の合間に摂る食事は特上のウナギ辺りは当然だったわけで、今なら幕の内がいいところでしょうか。あれから20年以上経過した現在、首都東京は新たなバブルのように好景気です。確かに、ここ北陸金沢でも開業から1クール経過しましたが新幹線効果の風が止んでいません。タクシーは5割増、ホテルも連日満室、イベントやセミナーで使われる部屋も半年先まで予約済みとのこと。「全国津々浦々にアベノミクスを降らせます」と首相は所信表明で語りましたが、俯瞰で見つめると相変わらず「まだら模様」の実感は否めませんし、政府の支持率が今月40%割ったので、株を売り捌く準備に入った投資家もいることでしょう。そうです、今度は騙されないようにしなくちゃ・・・いけませんよね。「転ばぬ先の杖」という諺を噛みしめましょう。
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