この文章は良く書けています?
芥川・直木賞は、文藝春秋主催で毎年上期と下期にあり、それぞれ1月と7月に発表されます。第1回はともに1935年からという歴史あるものですが、そもそもこの賞ができた背景には俗に言う「ニッパチ」にあったそうです。雑誌本があまり売れない2月と8月の悩ましい時期をどう乗り越えるか、文藝春秋が考案したそれは「芥川賞」と「直木賞」との名称で文壇界に提示したのが今に至っているのだそうです。文藝春秋は芥川賞受賞作の載る号だけやたらと発行部数が増えることは、皆さんご存知と思います。2003年下期受賞作「蛇とピアス」は100万部売れたとのこと。選考委員も若返りが図られているらしく「限りなく透明に近いブルー」で受賞された村上龍氏もその一人。大学受験の時期だった私はこの作品の衝撃を忘れていません。さて、2015年上期はお笑い芸人の書いた作品が芥川賞を受賞したのですが、デビュー作での受賞は過去にあるのでしょうか。とにかく快挙なのは間違いありません。ミリオンセラーも間違いないところです。ただ記者会見で「芸人100で、時間が出来たら書きます」このコメントには少々違和感を抱きます。1作目で受賞したのですから、傍から見たら天才的な文筆家と捉えます。二足の草鞋では勿体ないではありませんか。どんどん書いて文学界、出版業界を背負って欲しい。ジグソーパズルのピースをはめ込むような会話に慣れてしまったSNS人間たちに、自動変換されるテンプレート文章がいかに「張子の虎」なのかを身をもって示していく大志はないのかなあ。一方、マスメディアと出版業界の盛り上がりは「それとその後」を明らかに希求する「あざとさ」を感じてなりません。これで3年はメシが食える輩の多いことといったらないでしょう。
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