再販制度という文化
再販制度とは、メーカー側が消費者に対する最終的な販売価格を決めることができるという制度です。制度そのものは公正な競争を阻害するとして独占禁止法で禁止されていますが、例外が認められていることはあまり知られていません。そのコンテンツは書籍、雑誌、新聞、CD等です。メーカーが最終価格を決め、それを小売店に守らせることができるのです。言論の自由や文化の保護という見地から、1953年以来、再販売価格の指定が認められてきた訳ですが、この私は1980年代にマスコミ業界で、CDや出版物の仕事に携わった時に知ったのですが、正直なところ「なんで?」とともに、この制度は将来破綻すると感じていました。やっと21世紀になってアマゾンが書籍10%還元を打ち出したのです。そして予想通り出版業界が反発。「ネットの発信力」これが私の感想です。新規の参入が困難なうえに、安易に安く売れないのですから、肝心の競争は行われません。傍から見れば形骸化しているこの制度にクサビが打ち込まれたのです。アマゾンによって、本やCDの値段が制度によって守られていることがこれで全国に知れ渡りましたし、同時にインターネットがまた一つ、文化の「あぐら」をほぐすのです。制度、体制や枠組みである「レジーム(Regime)」がドラスティックに変化していく先には何が待ち受けているのでしょうか。
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