浮き輪と禁煙
今から11年前にタバコを止めました。その日、最後の1本を吸い終わると、灰皿ごとそのまま捨てました。そして今日を境に二度と吸わないと心に決めてから、11年間禁煙を継続できています。人に話すと「どうしてその日から止めることが出来たのか?」と訝しげに聞いてきます。私もタバコは嗜好品の一つとして価値を見出していたのですが、ある些細なことがきっかけでした。それは禁煙する前年の夏のある日に起こりました。私たち夫婦と両親は、まだ幼稚園児だった子供たちを連れて海水浴をすることに。私は子供たちが使う「浮き輪」を膨らませるためチューブを口元へ。しかし何故か中々浮き輪に空気が入っていきません。何度も鼻で吸い込みながら空気を送り込むのですが、いつまでたってもペシャンコ状態。どこかが破れているのではないか?手で押して確認してもそんな様子はありません。仕方なく隣の家内に「悪いけどふくらませてくれる?」彼女は「どした?」の表情ながらも、私から浮き輪を渡されると、瞬く間に膨らませたのでした。途端に「COPD」という言葉が私の脳裏をかすめます。「うむむ」状態の頭の中は「恐」で一杯。その後の精神状態は推して知るべし。ネットで調べるまでもありませんでした。今では、なぜもっと前に止められなかったのか不思議なくらい、百害あって一利なしどころか、私の中ではチャイナシンドロームです。
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