キャスター交代で別番組になった「Nikkeiプラス10」
この4月から地上波とBSで報道番組のキャスターが相当に入れ替わった。特に気になったのはCXの夕方の報道番組「Live News it!」とBSテレ東の「Nikkeiプラス10」の両番組。CXは加藤綾子さんという元々自局のアナウンサーだった女性を起用したが、こちら側から見るとタレント女優が片手間に“報道キャスターもやり始めました。”的なノリに見えてニュースの中身が入って来ない。明らかに何にでも顔を出したエンターティナーの印象がアダになった感じだ。一方の「Nikkeiプラス10」は長期にわたって小谷真生子キャスターが仕切っていた番組で、経済情報を円やかなトークで進行させる手法は新鮮だった。“私まるで知らない。”的素振りで進行する小谷キャスターの凄さは経済に精通した男性記者やアナリストたちの堅苦しい説明を柔らかくほぐしたことにあった。この効果は見る側にも安心感を与え、番組そのものを教室で授業を受けている雰囲気にした功績は大きい。米国でのビジネスを本格的に行いたいとする降板理由は本当だろうか。とにかく惜しいことこの上ないのだが、彼女に代わって4月からメインに抜擢されたのがフリーの榎戸教子キャスター。昨日の出演が3回目だったが、力が入りすぎて鯱ばった高慢な印象が災いしてサブキャスターたちと息が合わない空気を感じる。太田泰彦氏や岸本好正氏などに対する質問の仕方や目線がギクシャク感満載で、紋切り型の敵対的な質問では自分だけではなく彼等の個性も殺してしまう。番組のコンセプトが「経済」という大衆に馴染まないカテゴリーをテーマにしているだけに、ここはもう少し柔らかい物腰で彼等を包容する度量が欲しいところ。見ている方も肩が凝ってしまって辛いのだが、この人選が間違っていないようにするには肩肘張らない雰囲気づくりが大事で、榎戸キャスターも今までの知識と経験をオブラートに包めれば成功は向こうからやってくる。それにしても全ての意味で「Nikkeiプラス10」を背負っていた小谷真生子さんの降板はやっぱり惜しい。「小谷真生子経済ルポスペシャル トヨタ100年の死闘」BSテレ東。
https://www.youtube.com/watch?v=JyoIB0ZeVLk
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