過去のグラビア写真は消せない?
昨日は「デジタル課税」の話を書いた。企業の資産カテゴリーの1つである固定資産(減価償却)をテーマにして大手IT企業の実態を探ってみたが、今度は巨大なIT(情報技術)帝国を築いたグーグルやフェイス・ブックの利益実態を深掘りしてみたい。2000年以降急速にネット環境が充実した日本も、EC(電子商取引)が本格的に普及してきたのは2011年の震災以降である。翌2012年にはLINEというSNSが若年層を中心に広まってゆくも、個人情報を入力しないと前に進めないログイン制のツールだったが、SNSサービス(基本無料)のすべてはこのタイプで、ツールを使えば使うほど個人情報はネットの中でセグメント化され、ECモールにフィードバックされる。やがてPC画面から「もう一人の自分」が現れて「これ探してたでしょ?」と自身が憧れていた商品をレコメンドして見せる。「なんで趣味が分かったのかな。」最初の疑いは「でも気が利くなぁ」に変質していき「こんなに安いし欲しかったんだから買わなきゃ損」最後は利便性も伴って気が付けばポチっている。実に合理的で居ながらにして自分自身をバージョンアップさせる効率の良いECシステムは、プライバシーとの引き換えで成立したAI(人工知能)の仕業なのだが、これがグーグルやフェイス・ブックの利益に回っているのである。ネット利用者の大多数はグーグルなくして仕事することはもはや不可能になったが、諦めるまえにプライバシーを保護してくれる同質のサービスを探すのも一考だ。今、世界では「過去を削除」したいとする要請が280万件もあるのだという。子どもに自分の過去を知られたくない親もいるのだろうが、2018年5月施行の「一般データ保護規則(GDPR)」で規定された欧州以外では「過去の削除」は果されない。日本も先進国に比較して大きく立ち遅れている。個人データを入力することは<悪魔に魂を売る>ことなのだと自戒したいが、無料サービスほど高くつくものはない。グーグルが“個人情報流出”公表せず
https://www.youtube.com/watch?v=EeE4g1XNz9w
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