シダックス カラオケ撤退の理由
あのシダックスがカラオケ事業から撤退するとのニュースは、一昔前であれば大きな関心を持たれたはずです。理由は何なのかを深堀りしてみると、なるほど興味深い事実にめぐり合いました。1965年、食材と給食事業をメインとしてスタートしたシダックスは、1993年に更なる多角的事業展開を図ります。それがカラオケと野球部でした。特にカラオケ事業は、大きなブース部屋に食事をつけてカラオケを楽しむことが大衆に受けて、全国各地に店舗を拡大していきます。しかし2000年代に入り、若者たちの興味関心がインターネットやスマホに向けられて、カラオケまでお金が回らなくなり、ビール等のアルコールからも離れたことが原因で採算が悪化していきます。最近では一人でカラオケする「ヒトカラ」が流行になっているようですが、一人だと食事にしてもアルコールにしても大した量にはならない客単価の低下に、事業の撤退は止む得なかったのでしょう。さらに言えば、この流れにダメ押ししたのが「働き方改革」でした。これはお客と従業員に関係するシビアな改革ですが、この現実に私がつけ加えるとすれば、震災以降の日本のミュージックシーンの変化でしょうか。1990年代まではなんとか歌が歌えた楽曲も、スマホとSNSが本格的に普及しだした2010年以降、J-POPを中心にリリースされた楽曲は、カラオケで歌えなくなるほどコアなステージに行きついていると指摘する関係者もいます。さて、世界中で愛されている日本発祥のカラオケですが、近い将来、大きな声で歌える場所が車の中だけになったりしたら悲しいですね・・・。ところで、私がシダックスを知ったのは野球部の創部からでしたが、2003年にプロ野球の野村克也氏が監督に就任した後、数々の選手をNPBに送り出すほどチームを強く育て上げました。2006年、シダックスは野球部を廃部にしますが、野村監督も翌年からプロ野球の楽天球団に監督として復帰するのでした。シダックス 採算悪化、カラオケ事業から撤退。
https://www.youtube.com/watch?v=AIJsprVjuSk
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