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The Lyrical Times

誰かを幸せにするために

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伊集院静氏のエッセー「大人の流儀」が(講談社)が刊行された。累計185万部を突破したシリーズの第8巻のサブタイトル「誰かを幸せにするために」の言葉で思い出す話がある。1979年春、嫌で嫌で泣きながら送っていた浪人生活に終止符を打ち、ようやく大学1年生になった年の夏休みは見るもの全てが薔薇色に映った。私は前期の講義が終了すると兼ねてより父親から言われていた自動車の免許を取得するために1ヶ月実家に帰省することになっていた。が、生来がコツコツ派ではない私は案の定、教習所通いもいい加減で中々先に進まない。仮免許時の試験に1度落ちた時は「面倒くさくなった。」と昼間からゴロゴロし始めると見かねた母親が「1ヶ月で免許取れなかったらお父さんが許さんよ。」とひどく叱られたことを憶えている。その父親がある夜に戦争の話をしてくれたことがあった。昭和一ケタ生まれの父親は私とまるで違う性格で、学生時はヤンチャ極まりない昔で言う「バンカラ」で地域では名前を知らない学生はいなかったと聞く。その父親が終戦を迎えた地は神奈川県の横須賀にあった予科練だった。予科練とは、旧海軍の飛行機搭乗員養成制度で初め横須賀航空隊内に設置されたが、のち茨城県土浦に独立するも終戦とともに解体された言わば特攻予備軍である。父親はチンタラしている私に何を思ったのか、その横須賀予科練当時のエピソードを幾つか話してくれたのだが、その中で最も印象に残ったのが同部屋になった東京で和菓子屋を営んでいる御曹司の男との話。「海軍飛行予科練習生」として一緒に行動していた東京の御曹司はバンカラの父親と違って大人しい男だったそうで、その性格ではとても予科練のシゴキには耐えられないと踏んだ父親は事あるごとに彼の面倒を見たという。御曹司の風貌はその時々で他の練習生から苛めの対象になり、ある時には制服のボタンを、ある時には帽子を盗まれては上官に殴られてる姿が耐えられなかったのだろう。父親は「また盗まれたのか。仕方ない、ちょっと待ってろ。」言うなり盗んだ奴の部屋へ行っては取り返す繰り返しは一度や二度ではなかったという。「取り返すのはいいけど、どうやって?ボタンなんか捨てられてるかもしれない。」私は素朴な質問をぶつけたが、父親は煙草をくゆらせながら笑った。「そいつが着けてるボタンをむしり取るのよ。」「ええ?喧嘩になるんじゃないか。」父親は私の質問にフンと鼻で笑うと「目ん玉に拳をブチ込んだら相手は抵抗せんのや。」なんという過激なのかと声も出ない私に父親は追い打ちをかける。「隣りにいるやつの帽子もひん剥いて帰ったもんよ。」田舎の五男坊の育ちだからかは分からないが、世の中を生き抜く底力を自然と授けられているような話だ。東京の和菓子屋の御曹司にとって、僻地から横須賀にやってきた父親はさぞかしスーパーマンに見えたことだろう。しかしその御曹司に突然悲劇が訪れる。 以下後編へ。
 

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灯油便きらりのCM15秒です。 イケメンが走ってます