「北の桜守」は果して映画なのか
2000年代に入ってから劇場で鑑賞した映画は数えるほどしかない私ですが、先週末に観たものは果して映画であったのでしょうか。こんな書きだしはあまりにも酷いと思われた方すべてに「ではその映画を観に行って下さい」とお伝えしたい。『北の桜守』は吉永小百合さん主演の映画で、戦中戦後に一人の女性が北海道の大地を背景にして生き抜いた人間ドラマですが『北の零年』『北のカナリアたち』に次ぐ“北の三部作”の集大成となる滝田洋二郎監督作品であり、映画女優 吉永小百合120本目の映画だそうです。しかしながら冒頭のシーンからすでに不自然さが漂うのは、夫役を演じる53歳の阿部寛さんと73歳の妻役の吉永さんの年齢差だけではありません。予備知識を持たないで観に行った理由の一つに2人の周囲をサポートする共演者のほとんどが主演を張れる役者ばかりの豪華キャストだったこともジーザスに拍車をかけたのです。途中でストーリーの説明が舞台劇?で補足されるのですが、あまりの唐突さに仰天、それが節目節目に挿入されるものですから、興ざめてしまい感情移入が全く出来ないのです。吉永小百合さんを極端に意識し過ぎた演出のせいか、息子役の堺雅人さんが空回りしているように見えますし、何より取ってつけたような脚本は正直ナンセンスです。美術セットのチープさも含めて万事がサユリストのファンクラブが作った作品と言われても仕方ないでしょう。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を計4度受賞(歴代1位)しているにも関わらず、サユリストたちから崇められた演技をずっと続けるのなら、もう吉永さんの為の映画製作は彼女を含めて終止符を打つべき時じゃないだろうか。金太郎飴の女優と揶揄される吉永さんがデビューからほとんど進化しない現実は辛いものがあります。いっそのこと、豊臣秀吉の側室「茶々」役を大河ドラマで挑戦してくれないかなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=u2xhRa0j5Ww
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