「音楽チャンプ」緊張感ゼロのステージ
カラオケは今や世界中に浸透した日本発祥の娯楽ですが、歌の上手いカラオケ上手は星の数ほどもいるのに、何を勘違いしたのかそれをオーディション番組にしたのがテレビ朝日。毎週日曜の夜に素人の歌を見る視聴者がいるのか不思議でならない私は番宣しか見ていませんでした。1970年代、まだカラオケが無い時代には「スター誕生!」や「全日本歌謡選手権」「ホリプロスカウトキャラバン」等TV局ごとに素人のオーディション番組が雨後のタケノコのように生まれていきます。特に「スター誕生!」は応募総数が約200万通、予選参加総数が約60万人と日本テレビが企画製作した素人参加番組史上、断トツのトップではなかったでしょうか。歌上手のティーンエイジャー達が夢を実現するために参加する地区予選はそれこそ火花が散る勢いだったでしょうし、決勝大会がONAIRされる日曜の朝は、固唾を飲んで見守る予備軍たちの胸が膨らんでいたはずです。TVカメラから会場の張り詰める緊張感がハッキリと伝わってきて、視聴者の私たちも同じ思いをしたものです。この「スタ誕」が28.1%の最高視聴率を叩きだした1978年は、番組から世に出たピンクレディや山口百恵の全盛期でした。やがて時代はバブルを迎えると、オーディション番組はことごとく消えていきます。ショービズの世界が「やらせ」や「出来レース」なる噂を否定しきれなかったことが原因でした。21世紀に入ってからは、SNSを中心にしたユーチューブやラインライブで自身をプロデュースできる時代になります。米国発「アメリカン・アイドル」も最初のVol.1~2までは面白かったものの、Vol.3以降はネタ切れでしょうか、ゲテモノ的な様相を呈しています。さて、件の日曜日夜にONAIRされているテレビ朝日「今夜誕生!音楽チャンプ」が3月末で終了することがヤフー電子版で報じられました。ユーチューブで約600万アクセスのある現役女子中学生の歌を聴きましたが、残念なことに最後まで視聴することは叶わず。何がダメって、ステージを囲んでいるオーディエンスが気持ち悪いほどにハートウォームで緊張感がないことです。演出側のセンスでしょうか、これでは視聴率は得られません。自分が歌う楽曲によって他人が救われたと感じるまでには長い茨の道が必要なのです。現役女子中学生が歌う「I LOVE YOU」
https://www.youtube.com/watch?v=_ZXAn8TNjCA
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