ガソリンのオクタン価は世界標準と違う
フォルクスワーゲンをお乗りのお客様がオイル交換にいらっしゃいました。「ディーラーよりリーズナブルだと思ってきたんだけど予算に合います?」外国車に限らず、今の自動車は推奨のオイルが決められているのですが、確かにディーラーさんと価格が少し違うようです。だからと言ってクオリティは同じなのでご心配には及びません。「オイルエレメントは取り寄せました」やはり外国車ですから汎用品などを使用しようものなら信用問題に発展するので御免です。「ディーラー価格ですと3倍は下りません」お客さまは「うんうん」と頷かれています。作業は丁寧にも丁寧を重ねながら2人がかりで行います。「ところで外車はなんでハイオク仕様なの?」この質問はよくお客様から聞かれるスタンダードなものです。「ハイオクは高くてねぇ、レギュラーにしちゃダメ?」お客様、それは無謀な要求でございます。でもここは慎重にかつ明快にご説明しなくてはいけません。「日本車でも一部高級車はハイオク指定となっていることはご承知と思いますが、輸入車のほぼ全車がハイオク指定なのは、日本の元売りが精製するガソリンのオクタン価指数に原因があるんです」「なるほど」お客様は身を乗り出して私を見ます。「ヨーロッパなどでレギュラーガソリンとして扱われているガソリンのオクタン価が95なのに比べ、日本のレギュラーガソリンのオクタン価は89。これでは外国車エンジンの特徴を最大限に生かすには不十分です。レギュラー89、ハイオク96、この基準(JIS規格)を変更しない限り、国内でのガソリン給油は必然的にハイオクとなるのです。ただ実際のところ、日本のハイオクはオクタン価が98~100程度(レギュラーは91)と基準を少しオーバーして供給されているので、外国車にとっては95のオクタン価でいいところが、100近いオクタン価のガソリンを給油するわけですから、車のレスポンスはヨーロッパ以上にナイスになるんですね」お客様は溜息まじりに呟きます。「高速走ることないんだけどねぇ」「高速?」私の頭は停止。そこへ「オイル交換終わりました!」明るいスタッフの声が私の助け舟になったのは言うまでもありません。お後がよろしいようで。出光100ガソリン1987年CM。
https://www.youtube.com/watch?v=DzAA_fBAeCk
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