自治体が得する「ふるさと納税」
一部の高額な返礼品が問題となっている「ふるさと納税」をめぐり、受け入れ額の多い約200自治体に改めて見直しを求めると総務省が24日に発表しました。この私も、のっけからあまり関心の薄かったふるさと納税ですが、2008年から全国で展開された「ふるさと納税」とは地方自治体への寄付金制度のことです。お米やお肉などの特産物がお礼品として用意され、 寄付した金額はその年の所得税より還付、翌年度の個人住民税より控除されるという、まさに一挙両得な制度ですが、地方自治体の過熱な競争は全国からの寄付金が1000億を超えた辺りから次第にエスカレートしだします。しかしどこか釈然としないのは何故でしょうか。制度のメカニズムは、住民税の控除が2倍になり、確定申告も不要、寄付をしたその自治体からの返礼品も来るという垂涎の3点が目玉なのですが、賢い自治体が出てきます。国の狙いは自治体の税収格差を埋めるための制度でしたが、ふるさと納税を使って寄付する住民が住む自治体は、寄付すると居住地の個人住民税が軽減されるため、その分税収が減ることになります。東京大阪等の大きな政令指定都市は、それによる税収損失はそれほどでもないものの(世田谷区の税収1000億!)中規模な地方都市では収入より支出の方が多い現実に自治体側が異例の企画をブッ放します。つまり、自分の住んでいる市に寄付をするという総務省の思惑とは少しズレた取組みが行われたのです。こうすれば税収は潤いだし、国からの仕送りである地方交付税交付金も膨らむのです。税収が減ると国が交付金で補填する仕組(地方交付税法)みだからですが、これを上手に使う自治体が出てくることは当初から指摘されていました。「市民が寄付すると交付金が増える」これを実行している多数の自治体に、総務省の苛立ちが頂点に達した、これが本音のようです。ふるさと納税 総務省指摘。
https://www.youtube.com/watch?v=p0RCPhhNfSE
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