音楽雑誌コーナーにあるもの
最近、書店に入ること自体あまりなかった私が、立て続けに寄ったのはいずれも時間調整からでした。東京と金沢の書店構成は、格段に東京の書店の方に軍配が上がります。しかし共通していたことは音楽雑誌のコーナーの充実度でした。1980年代、私がまだ大学生の頃の書店は、人をかき分けながらお目当てのコーナーに向かったものです。特に音楽雑誌コーナーは立ち読みの先客に塞がれていて、後ろから手を伸ばして取るのがやっとでした。それが2000年以降、本格化したITが業界を震撼させます。家にいながらにして欲しいものが送料無料で届く時代に、敢えて書店で本を買おうとする人は潮が引くようにフェードアウト。音楽業界も、ITがあり方そのものを抜本的に変えた結果、CDがほとんど売れなくなりました。MP3からi Pod、そしてYouTubeの登場は音楽そのものを身近にしたというより「実はクリエイティブ活動って誰でも出来るんだよ」とハードルを大衆に解放したことでした。これにより、あおりを食った関係筋は現在も後を絶ちません。実際、音楽雑誌コーナーに溢れるほどあった本もバブル崩壊後、そのほとんどが廃刊に追いやられ、老舗の「ミュージック・ライフ」「スィング・ジャーナル」「BANDやろうぜ」等はもう店頭にはなく、代わりに「作詞作曲が出来る本」や「PCで簡単に曲が出来る」「今日からギターが弾ける」辺りのジーザスなタイトルが鎮座しています。音楽の魅力は、人間の心のヒダから生み出されるもので、それはエモーショナルな琴線です。「JASRACを提訴」ほぼ全会一致で可決、音楽教室の団体が総会開催。
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