彼女の誤算
政治家は「ジバン(地盤)カンバン(看板)カバン(鞄)」の3つのバンが必要だとされています。理想では、政治家は優れた政策や資質、能力で選ばれるべきとされますが、日本では、後援組織の充実度、知名度の有無、選挙資金の多寡や集金力の多少で当落が決まるのです。今、民進党の代表がネットのSNSや週刊誌に叩かれています。例の二重国籍問題以降、寄ってたかってのイジメに耐えられなかったのでしょうか、名誉挽回とばかり、先月某TV局の情報番組に家族を含めたプライベート部分をTV公開したのです。しかしその中身がまた火に油を注ぐような内容で、とても政党の代表とは思えないような著しい差別主義を計らずも暴露することになります。彼女は、クラリオンガールとして1988年メディアに登場した現役の大学生でした。その後はバブルも手伝ってか、八面六臂の活躍で日本中を席巻します。歯切れのいい司会ぶりは群を抜いたもので、頭の回転の早いタレントとして認識されていきます。ほどなく政治の世界に飛び込んだのも意外ではなく十分に理解できたことでした。しかし政治家の特徴である権威と敬意が彼女の長所だった部分を180度違う方向に進ませます。2009年仕分けの女王として注目され、2010年、民主党政権において42歳の若さで行革相を拝命すると、その人気は不動のものになります。しかしその間における彼女の尖った言動は一部の政治家とマスコミを喜ばせたものの、世間には眉をひそめるような受け取られ方に変わっていきます。今回の党代表就任についても、行司を味方に付けての相撲は不戦勝みたいな勝ち方で、あざとさを世に晒してババを引いた感は否めません。本人がまたとないチャンスと受け止めた件のTV出演もまたババです。タレント活動で得た個性的なセンスは、政治リーダーのセンスに当てはまらないどころか不信感を助長させる始末。小池都知事との違いはまさにココで、器は比べるまでもありません。
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