パックスアメリカーナ
太古はロマーナ、近代以降はブリタニカ、ロシアーナ、そして世界の大国である米国がパックスアメリカーナの終焉をみせたことに秩序の崩壊が危惧されます。ヨーロッパはEU共同体を形成しながら経済を共有してきました。ギリシャやイタリアの危機を回避させた共同体の価値観は、日本の文化観とは相いれないもの。「秩序」とは、物事の正しい順序・筋道のことを言い、社会などが整った状態にあるための条理を定義するのですが、21世紀以降の世界は米国の軍事技術(IT)が民間レベルに開放された結果、経済の振り子が一方に振れたままになり、理解と困惑の社会はどんどん富裕と貧困を拡大させたのです。理解する側は更なる享受を模索し、困惑する側はそれが何を意味するのかも分からないまま停滞している社会が誰もいいとは思っていません。件の大統領選挙結果は、資本主義社会の振れ幅を国家間で小さくするためには「保護主義」のエッセンスを混ぜるべきだとした米国の「軍産複合体」がプロデュースを兼ねて演出したとすれば合点がいくのではないでしょうか。要はどこが切り口なのかによって、見方も感じ方も変わるということですが、これで覇権争いに中国がさらに垂涎するのでしょう。パックスジャポニカには外交上手になることが必要ですが、憲法上難しいのが実情です。
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