ドンファンと狼男アメリカン
その彼は品川駅の改札からではなく、私鉄側からやってきました。見た目に全く変わらぬ風貌は、午後に会ったCGマンと同じ匂い。今日は昼の部で1人、夜の部で2人と、1日に3人と会う約束をSNSで交わしています。彼の相変わらずのドンファンぶりに「人間の本質は永遠なんだ」一人合点する私。彼はCMプロデューサーとして、長く日本を代表する老舗のCM会社に籍を置いています。But、偶然とはいえ、彼が話す介護の話に息をのんでしまう私。「両親の介護をして7年経つよ」その中身は筆舌に尽くしがたい日常。親の世代がほぼ一緒(昭和一ケタ世代)なことに昼に続く介護話にノックアウト寸前です。「都合が効くように事務職にしてもらったし、家族が協力してくれるんで助かっている」とする彼の言葉に一縷の希望をみるのでした。そして、もう一人の彼は今も昔もフリーランスのディレクター。品川駅の階段を下りてきた姿は、彼もまた一目でわかってしまったことに「これでも10キロ以上太りましたよ」「いや、バブルの頃から変わってないよ」でもコンサート会場の周辺にいるダフ屋さんのようなイメージに、一人笑う私は彼に失礼です。ホテルの最上階で食事をしながら昔話に花が何とやらですが、全員50代だからでしょうか、それともダフ屋の彼が自衛隊出身者だからでしょうか、会話は集団的自衛権と憲法改正の話に及びます。ここで詳細を書く訳にはいきませんが、それぞれの主張は国家国民の安心安全を思っての議論で、放送コード無関係のぶっちゃけトークは実に面白いのでした。翌日の日曜の午前中は初めて見ることになる「早稲田祭」。会場を吹き抜けていく木枯らしは、大隈講堂のテッペンを旋回しながら、早大生たちの若いパッションとともにトルネードのように私の魂を揺らします。自身の姿が時空を超えてオーバーラップするのでした。早稲田祭。
https://www.youtube.com/watch?v=2m5iLanazT0
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