5曲はシンドかった
何の感慨もなく10日の朝を迎えた私は、高揚感に乏しいままスタジオに向かいます。理由は定かではありませんが、出場予定の9組が7組になり、最後は4組に減ったことも然ることながら内容に戸惑ったからです。「自分の子どもたち世代とのライブなんだね」私は1組くらいミドル世代のバンドかユニットがあるものだと思っていたので「がっかりだな」前々日に知らされた時点でテンションが下がる一方で持ちこたえられません。4組はスタジオでの挨拶もそこそこにリハーサルをスタートさせますが、自身にノリがありません。本番まで1時間の空き時間が出来たので気分転換にとコーヒーを飲むのですが、心ここにあらずの状態に、来て欲しくない大学時代の過去たちが「そろり」とやってきました。「なんだそんなこと気にするような男だっけ?」「オリジナルを弾けるだけいいじゃない」口々に私の耳元で囁きます。視線が虚ろなことを察知したのか、彼らは私の水晶体からプリズムを壊し、輝きを奪っていきそうです。「消えてくれないかなぁ、ウザいんだけど」ため息を呑み込んだ私は本番10分前のスタジオへ。出番はラスト前の3組目「The・Jet set」は若い残光に散りばめられたステージに上がります。記憶に鮮明だったのは「スポットライトがやけに眩しかったなぁ」苦いライブステージだった「16分間」を証明するには充分な言葉です。「Set List 1.Goodbye-Cool 2.夏色のリズム 3.Season 4.糸 5.歌を捧げて 」1~3はオリジナル楽曲。
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