気になる嫁さん
日本のTVドラマを代表する一つと言っていいかもしれません。榊原るみさん主演のホームコメディ「気になる嫁さん」は私の心の宝箱の一つ。まだ中学生だった私の目には都会の眩しさが画面一杯にほとばしって見えたものです。「こことは大違いだなあ」言葉使いに憧れを抱くのは仕方ない事とはいえ、見る度に理想と現実の狭間にガッカリしたものですが、その礎をつくった脚本家の松木ひろしさんが、19日亡くなられました。1960年代後半から斜陽していく映画とは逆に日本のTVドラマはお茶の間に支持されていきます。1970年代、高度成長期とともにTV自体もカラーに移り変わり、平和を生み出す受像機として国内を席巻、普及していきます。その中にあって特にホームドラマは、近代化した日本人の文化を津々浦々に浸透させる役目を与えられていたようです。松木ひろしさんもその役割を与えられた一人で、書かれた脚本は一貫して「家族の絆」や「家族の愛情」をコメディ&エモーショナルタッチで描かれました。東京という大都会をベースにした松木ワールドは、その後も同様のホームドラマを立て続けに世に出します。「パパと呼ばないで」「雑居時代」「気まぐれ天使」そして「池中玄太80キロ」(いずれも日本テレビ)で頂点に達します。主人公のキャラクターに感化されていた私の基礎は、ひょっとして松木さんによって造られたのかも知れません。「気になる嫁さん」オープニング曲。
http://dai.ly/x11y3jq
コメント