目は口より冗舌です
大相撲に「稀勢の里」という力士がいますが、2012年に大関に昇進したての頃は、すぐにでも綱を締めると確信されていました。しかし、どうしたことか未だに大関のままで、もはや話題にもならなくなった感があります。今場所の注目は、先場所優勝した大関「琴奨菊」の綱とりでしたが、多数のイベントでハシャギ過ぎての稽古不足は明らかで、休場するのだと思っていましたが、昨日3敗目を喫して万事休す。横綱も元気がない中で、日和見的なマスコミのフォーカスは、期待外れの大器「稀勢の里」に向けられました。この私は、彼のムラのある相撲にあまり興味を持てません。大器であるのは間違いないのですが、育ちの良さが原因でもあるのか「ギラギラ」感に欠けるのです。昔、「千代の富士」という大横綱がいましたが、ウルフという通称がつくほどに目がギラギラしていたものです。さて、今場所も相変わらずなのかなぁと思いきや、昨日のニュースで見た横綱「鶴竜」戦は違っていました。最後まで諦めない相撲は逆転で軍配をもぎ取ったのですが、大歓声の中で行司から勝ち名乗りを受けた彼の目に何かが宿ったかの如く輝き放ったのです。その瞬間を捉えたカメラも何かを感じたのでしょうか、歓声に応えるために、静かにしゃべった彼の目を逃さずフォーカスしたのでした。私はその目を見て思ったのです。2009年のワールドシリーズで優勝を決めるツーベースを放った時の2塁ベース上で3塁コーチを見やるヤンキース「松井秀喜」が見せた目と同じものだと・・・。長らく低迷していた大器が一気に駆け上るような気配になってきました。
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