ドリームズ・カム・トゥルー
懐かしい曲がFMから流れてきました。今から35年ほど前に学生だった私にとって、胸に沁み入ると同時に苦い悔いもフィードバックするナンバーです。1980年、大学生の私の中心は授業ではなくバンド活動にありました。大学の講義や、キャンパス内の学生食堂でクラスメイトと会話するよりも音楽活動の方が大切だったのです。私の日常はお昼からのバイト(厨房でのパフェ作りとウェイター at:西武レストラン)と夕方からのバンド練習が主で、学校の講義はその前日に時間割をチェックし「明日は休めるな」と勝手に解釈すると、代筆の時はクラスメイトの女の子に、代返は男友達に頼む電話をしたものでした。夕方になって学校(サークル活動として学内の教室でバンド練習するのです)の正門をくぐると、「あれ、お前もう講義終わったぞー」向こうからクラスメイトが叫びます。すれ違いざまに「何しに来たの?」言葉でいじめます。私は「バンド練習」「単位もらえるのか?代返バレバレだったぞ」ただ笑うだけの私の心は「夢を叶えるからいいんだ」と叫び返すのでした。1週間のうちの3日間はこんな学生生活。バイトが休みの日は曲作りに没頭、夜から朝方までずっと楽器と一緒で、メロディや詞に詰まると自己嫌悪に陥る、傍から見ればどうしようもない学生に見えたでしょう。コンテストにもよく出ていましたが、そんな「ちゃらんぽらん」は後に成績表というツケで回ることになります。3年生での単位は履修した講義全部を取得するのが絶対条件でしたし、4年生になっても足らない単位のために奔走することになるのですが、肝心の就活は当然満足に出来ません。それでも2流とはいえ、広告代理店から内定をゲットできた時は不思議に感じたものです。しかし、あれほど自らに言い聞かせていた「叶えてみせる」夢への扉を自らの判断で閉じるなんて欠片も想像していませんでした。あの時、もっと強い信念があれば人生は変わっていたのでしょうか。35年前のナンバーは遠い目をした私の琴線をそっと触って消えました。
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