ドローンハイウェー
日本の百景と称した紀行番組をBSで見ました。特にドローンカメラで撮影された棚田や花畑、山荘や渓谷はドローンしか出せない新鮮なアングルです。見惚れるとはこのことを言うのでしょう。私が携わっていた頃の空撮とはヘリコプターかクレーン車を利用するのが関の山。限られた画面にそれ以上を想像も要求もできなかったことに今更ながらがっかりします。ドローンの誕生はまさにエポックメイキングでした。これからも画期的な映像を見せるのでしょうが、問題点もたくさんあるようです。所轄官庁は国土交通省ですが、4月に官邸墜落事件が起きてから検討された事案は、今年12月に航空法を改正した「ドローン規制法」の新法で施行されます。漸くルールが明確になるのですが、その内容は「日中に飛ばす」「周囲の状況を目視で常時監視する」「人や建物などと一定の距離を保つ」の3点を義務づけただけで詳細にわたるまでにはまだまだ時間を要するようです。この私は先ずもって不正使用に思考が及びます。映画やドキュメンタリー撮影ならいざ知らず、空中は何もない空間。縦横無尽に飛ばせるとしたら事故や事件の確立が非常に高くなるのは考えるまでもありません。プライバシーへの配慮はどうなるのか、もし人にぶつけて怪我を生じさせた場合や騒音被害も想定されますし、保険の適用はどのように受けられるのか皆目わからずじまい。米国はドローン専用の空路「ドローン・ハイウエー」の整備に取り組んでいるといいます。日本の国交省航空局は「産業の活性化」に貢献できるとポジティブですが、法律の施行後は必ず社会問題に。ここはハードルが見えないままでの見切り発車と理解するのが正解でしょう。
映画「ドローン・オブ・ウォー」予告篇です。
https://www.youtube.com/watch?v=4fGputLUYc4
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