12月の原油はやっぱりトランプ次第
「ドバイ原油30日午前 反発し59.10㌦前後」今朝の日経電子版は原油反発をキャプションにしていたが、勢いは正直ない。昨夜遅くにはNY原油が一時50㌦割れたとのニュースも世界を駆け巡った。都度一喜一憂する原油価格はここに来て視界不良に陥りそうで皆不安は隠せない。何せ2か月前の10月初旬にドバイ原油が最高86㌦を記録した後、現在は約30%も下落しているからだ。12月6日には「OPEC総会」が開催されるが、その中心はサウジアラビアとロシアの協議で、現在の原油安を協調減産することで価格を戻そうとする合意形成は上手く行くのだろうか。来週にも原油が上昇すると考えていた関係筋は、逆に底が抜けてさらに下がる見通しを示唆した。サウジアラビアはトランプ大統領に借り(カショギ事件)が出来、トランプはプーチンのウクライナ攻撃に圧力をかけた。トランプにとって原油の減産はビジネスライクにならないと判断されているだけに、サウジのムハンマド皇太子はロシア大統領との会談で何をディールするか不透明だ。いずれにしても「OPEC総会」での減産合意は先送りされるのではないか。当分リスクを背負うのはサウジアラビアで、増産による供給過剰が終わらないと原油価格の動きは低きへ流れ続ける。2015年から2016年にかけて起きた中国ショックによる原油暴落時の1バレル30㌦割れまではまだ先だが、再びそれが訪れると来年中にも日本のガソリン価格は2016年の4月全国平均120円台に迫ることになる。
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