「車買いたくない」5割超える
私がまだ高校生の頃の日本と言えば「自動車」が社会の中心に鎮座していたモータリゼーション華やかなりし1970年代。特に日本海側の地域は公共交通機関が未発達で、自家用車(これ死語だな)がないと潤いのある日常生活が送れないほどに貴重で絶対な存在でした。車社会は人々を自信と活力に溢れさせ、産業革命ならぬ人間革命を巻き起こしたのですが、日本の高度成長を担っていた自動車が21世紀の今、私たちのステイタスから消えようとしています。日本自動車工業会(自工会)が9日発表した平成29年度の乗用車市場動向調査によると、車を保有していない10~20代の社会人などの内、購入したくないとする層が5割を超えたのだそう。買いたくない理由を複数回答で聞くと「買わなくても生活できる」が33%で断トツなのですが、車の維持管理費などに負担感を感じ「所有」にこだわらない若者が増えていく傾向は2000年代から徐々に顕著になっていました。その大きな理由の一つがITの台頭とスマホの普及、そしてSNSの浸透にあったのです。家に居ながらにして商品が購入できるECの進化は瞬く間に世界中から(特に若年層)支持を得ます。彼等にとって、ショッピング時間と移動にかかっていた時間が別のことに使われる「タイム・イズ・マネー」的日常は自然と密度が濃くなっていくのですが、逆に経済的な余裕はみるみる間になくなります。こうなってくると窮屈?な「所有」のチャンピオン『自動車』(戸建住宅やマンション等も)に興味が失せるのは当然の成り行きでしょう。それでも自動車産業関係者たちの多くは「大都市の話だ」と高を括っていましたが、2011年の震災以降、格安レンタカーやカーシェアリングが全国に新しいビジネスモデルを展開、するとスマホ世代の若年層がいち早くその利便性と低価格に飛びついたのは言うまでもありません。静かに潜行するステイタスの世代交代が今後10年を待たずに行われるのだと確信を持つのは自明です。ちなみに非保有者のうち自動車の利用方法を尋ねると、レンタカーが最も多く71%。複数の人が同じ車両を共同利用するカーシェアは51%を占めました。「若者のクルマ離れ」カーシェア急拡大!将来、車を購入・買い換え予定は?
https://www.youtube.com/watch?v=IzhcYIT0eSg
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