株式会社　津幡石油        (tsubata sekiyu)

キオスクにオバサンはいない

この私にラジオCMの仕事がオファーされたのは、東京五反田に音楽制作会社を起業して間もない頃でした。1987年に民営化されたJRグループの子会社「キヨスク」（現在はキオスク）の20秒CMコンセプトは「キヨスクにオバサンはいない」。キヨスクと言えば朝のラッシュ地獄に一息つける砂漠のオアシスとしてサラリーマンから愛される存在。この私もよくスポーツ新聞とガムは必需品で、狭い店内でオバサン（オネーサン）が手際よく捌くマジシャンのような手の早さに驚いたものです。それをドラマ仕立てにしたCMはキヨスクで働く女性たちとオアシスを利用するサラリーマンたちの心の通い合いをテーマにした「心の琴線」物語でした。今、業界を離れて聞くCMのそのほとんどが、商品名を連呼するタイプでウンザリするのですが、100歩譲っても許せないのが「スピードラーニング」のCM。男女の会話形式で進む英会話が身につく内容の演出は、残念なことに会話そのものに買う側へのリスペクトが少しも感じないことです。聴取者を英語が出来ないバカ扱いにしていては「試してみたいな」とは思わないでしょう。どこの層がターゲットなのか気になる「スピードラーニング」は何周目の購買層に突入したのでしょうか。聞く方は耐え難い衝動です。キオスクのセルフレジ。 https://www.youtube.com/watch?v=EFk_3uEgmVE